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マンション積立金 食い物 悪質コンサル横行 業者と結託、修繕が割高に

2018年12月01日 09:00最新情報

マンション積立金 食い物
 悪質コンサル横行 業者と結託、修繕が割高に 
 2018/12/1付日本経済新聞 朝刊

 

マンションの劣化を防ぐ大規模修繕の積立金が悪質な設計コンサルティング会社に狙われている。工事会社に談合まがいの行為を促し、割高で受注した業者からバックマージンを得る。住民側に立つべき会社が管理組合の資産を食い物にしているのだ。悪質コンサルの横行はマンションの資産価値の低下を招く。

 

無題

劣化を防ぐには適切な大規模修繕工事が欠かせない(東京都内のマンション) 

 

「この金額で見積もりを出してくれ」。2018年春、ある工事会社役員の携帯電話が鳴った。声の主は首都圏のあるマンションと修繕計画策定の契約を結んだ大手設計コンサルの担当者。工事会社の選定を助言する立場にある人物だ。

 

2_構図

 

 

■相場より5割高

役員はこの案件を狙っていたが、相手が促す応札額は自社の見積もりの1.5倍。「ほかの工事会社は設計コンサルへのバックマージン込みだ。ウチが安値で落とすのを防ぐつもりだろう」。こう解釈し、断った。

結局、落札したのは別の会社。なぜか役員の会社の見積もりと同程度の受注額だった。落札した会社からも事前に接触があり、当の設計コンサルと組んでいるとほのめかされた。安易に同調すれば、管理組合は相場より5割も高い金額を支払わされた可能性がある。

なお、日本経済新聞がこの大手コンサルの社長に事実関係を書面で問うたところ「そのような談合行為を行うような事実はない」と答えている。

通常マンションは12~15年ごとに大規模修繕を施す。原資は管理組合が毎月徴収する積立金だ。規模が大きいと億円単位の費用がかかる。専門知識が乏しい管理組合が工事の金額や内容の妥当性を判断するのは難しい。

そこで近年増えてきたのが、設計コンサルが建物を診断して工事内容を決め、進捗も管理する方式だ。この計画を受けて管理組合は公募などで工事会社を決める。診断から工事まで管理会社や工事業者に任せるより透明性が高いとされてきた。

だが透明性の裏側に不正の芽が潜む。管理組合による設計監理の公募に、特定の設計コンサルが極端な安値を示して競合を押しのける。問題はその後。受注後に関係の深い工事会社が受注するように誘導するのだ。

業界の実態に詳しい設計コンサル、シーアイピー(東京・中央)の須藤桂一社長は「事前に落札業者を決め、ほかの業者がそれより高値で入札するように設計コンサルが誘導する」と指摘する。

国土交通省は問題を認識している。17年1月、マンション管理団体に対し、バックマージンを払う業者が受注できるような「不適切な工作」が存在すると注意喚起した。

呼応するように、同年11月に設計コンサル大手を中心に「一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会(MCA)」が発足し、「管理組合の不利益につながるような第三者との利害関係を持たない」との倫理規定を打ち出した。

■法抵触の可能性

ただ、多くの業界関係者は「実態は何も変わっていない」と指摘する。冒頭の工事会社役員が見積額の調整を依頼されたのはMCA設立後。相手はその中心的な会社だ。業界ぐるみで価格調整やバックマージンの要求を続けていると疑われる例が後を絶たないという。

あるマンションでは工事の見積もりを出した6社すべてが「警備員」の項目だけ「単価」と「数量」を誤って逆に記入していた。見積もりの精査を依頼された1級建築士は「すべて同じ間違いをすることは起こりにくい。談合があったのだろう」と指摘する。

ある工事業者は「最近は『営業協力費』や『情報提供料』の形で、バックマージンとわからないような契約を結ぶ」と、やり取りが巧妙になってきたと明かす。

これまで見てきた取引に対し、公正取引委員会は「独占禁止法の『不当な取引制限』にあたる入札談合が適用される場合はある」との見解だ。談合に詳しい中原茂弁護士は「工事費を本来よりつり上げさせたうえ、法外なバックマージンを得ると管理組合の財産に損害を与えることになり、背任罪にあたる可能性がある。ただ工事の見返りとの証明が必要で立件のハードルは高い」。

いまは業界に自浄作用を求めるしかない。

10月に「一般社団法人クリーンコンサルタント連合会」が設立記者会見を開いた。名を連ねたのは2年前に悪質なコンサルの実態を告発した業界団体の主要メンバー。会長の柴田幸夫氏は「我々の活動はクリーンなコンサルの増加につながる」と語り、管理組合からの相談やコンサル紹介に応じると表明した。

マンション修繕の入札サイトを運営する日本システムマネジメント(東京・中央)の宇貫広一郎マンション総合支援事業部長は「業者の推薦や選定をコンサルや管理会社まかせにしなければ不正を防げる」と説く。問われるのは管理組合の目利き力だ。

(学頭貴子)

 

 

 

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